ステップメールは本当に必要?現代オンラインマーケティングにおける「仕組み化」の本質とは

オンラインマーケティングの世界では、「仕組み化」や「自動化」、そして「ファネル」といった言葉を頻繁に耳にするかと思います。特に、ある程度マーケティングを学んだ経験がある方であれば、これらを構築することがビジネスを効率的に回す上で重要だと考えるかもしれません。もちろん、最終的にはファネルのような仕組みを作ることは有効ですが、初心者がいきなりそこから始めるのは時期尚早であると筆者は考えています。

仕組み化の前に「集客」と「信頼関係」が不可欠

なぜなら、もし「入れ物」である仕組みだけを構築しても、中に集めるべき「アクセス」や「リスト」が全くなければ、その仕組みは機能しないからです。つまり、どれほど精巧な仕組みを作っても、そもそも見込み客が集まらなければ何の役にも立ちません。

仕組み化は、ある程度集客ができるようになってから取り組むのが望ましいでしょう。集客を進めながら見込み客が何を求めているのかが見えてくるため、より精度の高い仕組みを構築できるようになります。

「ステップメール」は今も効果的なのか?

仕組み化の一環としてよく知られているのが「ステップメール」です。かつてはステップメールのテンプレートを使って商品を販売する手法が流行し、実際に売上につながる時代もありました。しかし、現代においては正直なところ、以前ほど売上にはつながりにくいと考えられます。

その背景には、いくつかの理由があります。

  • メール配信者の増加と開封率の低下 メルマガを配信する人が増えた結果、読者の受信箱は多くのメールで溢れています。昔に比べて自分のメールが開封されにくくなっているのが現状です。
  • 論理構成の破綻リスク ステップメールのテンプレートは、1通目から順に開封され、読まれることを前提としたシナリオで構成されています。しかし、現代の多忙な読者は、全てのメールを順番に読むとは限りません。例えば、1通目と4通目しか開かれなかったり、後から遡って逆順で読まれたりすると、全体の論理が破綻し、意図したメッセージが伝わらなくなる可能性があります。
  • 見込み客の「賢さ」と不信感 現代の見込み客は非常に賢くなっています。メルマガ登録後、5通目や7通目あたりで売り込みが来ることをすでに知っているため、そのタイミングでセールスメールが来ると「やっぱり来たか」と感じ、購入には至りにくい傾向があります。
  • 「売り逃げ」による関係性の断絶 多くのステップメールは、数通のシナリオで商品を売り込み、売上が発生するとその後の配信が途切れてしまうケースが散見されます。これはまさに「売り逃げ」と呼べる行為であり、長期的な顧客関係を築く上で大きな障害となります。読者と継続的な関係を築きたいのであれば、特定の通数で販売を終えるような売り方は避けるべきです。

信頼関係の構築が「本質」であり、長期的な売上につながる

そもそも、メルマガ登録後すぐに5通目や10通目で売り込む必要が本当にあるのでしょうか?メルマガ登録直後の読者との関係性はまだ浅いものです。例えば、100通、200通と継続してメールを読み続けてくれている読者の方が、当然ながら送り手に対する信頼度や関係性は深まっています。

焦って登録後すぐに売ろうとするから、相手の信頼が十分に形成される前に売り込みと受け取られ、結果として売れなくなるのです。十分な信頼が構築されていない状態でセールスを行うと、「売り込まれた」という感覚を与えてしまい、信用を落とすことにもつながります。

**重要なのは、商品が売れることです。**それであれば、何も登録して間もないタイミングで急いで売る必要はありません。むしろ、長期的に関係性を続けることで、読者の信頼は着実に高まり、結果として購入してくれる確率は上がっていくのです。

読者の立場になって考えてみてください。登録してすぐにセールスばかりのメールが届くのは、あまり気持ちの良いものではないはずです。

表面的な「型」よりも大切なこと

ステップメールの中身がどんなに素晴らしいものであったとしても、そもそも送り手の信頼が溜まっていなければ、メールすら開いてもらえないという現実があります。いくらユニークなタイトルをつけても、信頼のない相手からのメールは迷惑メールフォルダ行きになったり、すぐにゴミ箱に入れられたりする可能性が高いのです。

「何億円稼ぎました」といった実績を語っても、信頼がなければ「嘘なのでは?」と疑われ、実績として機能しません。

オンラインビジネスにおいては、ファネルやステップメールといった**「形」ばかりにこだわる人が多く見受けられますが、本当に大切なのは、その形を作ることで何を得たいのかという「本質」を見極めること**です。そして、その本質とは、見込み客との「信頼関係」を築くことに他なりません。

筆者自身も、このような「型」にこだわりすぎずにビジネスを継続できています。必ずしも決まった仕組みやテンプレートを使わなくても、ビジネスは十分に展開できるのです。

本質を理解し、読者との長期的な信頼関係を築くことに注力することが、現代のオンラインマーケティングで成功するための鍵となるでしょう。