【起業家必見】「家族優先」は序盤では難しい?ビジネス成功のために必要な覚悟とトレードオフ

起業して自分のビジネスを軌道に乗せたいと考える際、誰もが直面する大きな課題の一つが、**「家族との時間の確保」**ではないでしょうか。

「家族も大事にしたい。でもビジネスも成功させたい。」

この両立は可能なのでしょうか。本記事では、起業経験者の視点から、ビジネスの初期段階において家族を優先することの現実的な難しさと、成功のために必要な「覚悟」について解説します。

1. 起業初期は「サラリーマンの何倍も働く」過酷な現実

起業して自力で稼いでいかなければならない場合、家族との時間を犠牲にせざるを得なくなるのが現実です。

成功への道は決して甘いものではなく、以前にお話ししたように、サラリーマンの何倍も働かなければいけない世界です。サラリーマンよりも労働時間が短いのに収入が多い、という状態は基本的にはあり得ません。もちろん、数年かけて軌道に乗り、ある程度仕組み化して安定収入が入ってくる状態を作れれば別ですが、序盤からその状態を作ることはできません

企業当初のイーロン・マスク氏やスティーブ・ジョブズ氏、ビル・ゲイツ氏のような世界的な企業の創業者でさえ、1日15時間労働などを毎日こなしていたと言われています。我々も当然、最低限それくらいは働かなければならないと考えれば、少なからず家族との時間をどこかで削る必要が出てくるのです。

2. 「すべて」を求めるのは難しい:トレードオフの法則

「起業して稼ぎたい。でも家族も優先したい。」これは少々虫が良すぎる考え方かもしれません。

ビジネスを軌道に乗せるためには、何らかのトレードオフ、つまり何かを得るためには何かを犠牲にしなければならないという法則が適用されます。

大切なイベントの時など、一時的に家族を優先することは可能ですが、四六時中家族ばかりを優先していては、ビジネスはうまくいきません。特に初期の段階(序盤の頃)は、本当に馬車馬のように働かなければならず、家族とまともに過ごす時間がないと考えるべきです。例えば、子どもとの行事には顔を出せるかもしれませんが、旅行に行くことすら難しくなるかもしれません。

3. 家族を優先した結果、収入が減るリスク

では、意図的に家族を優先し、ビジネスへの労働時間を減らしたらどうなるでしょうか。

当然、作業時間が減り、結果的に収入も落ちていくことになります。

家族との時間は増えたとしても、収入が減り、良い暮らしができないとなれば、それが本当に家族にとってハッピーな状態なのか、という問題が生じます。筆者自身、お金よりも家族が大事だと考えるため、家族を大事にするという考え方には賛成しています。しかし、家族がある程度幸せに過ごすためには、それなりの収入が必要となるのも事実です。

毎日家族と過ごす時間が確保できても、毎月赤字のような状態では、家族にとって幸せとは呼べない可能性があるのです。

4. 家族関係を悪化させないために必要な「覚悟」と「理解」

ビジネスに集中するあまり、家族関係が悪化してしまうリスクは少なくありません。

特に初期の頃は、常にビジネスのことを考えているため、家族で出かけていても「早く帰って仕事したい」と感じ、公園などで遊んでいると「時間もったいない」とイライラしてしまうことがあります。これが家族関係に悪影響を与えたり、家族側から「なぜ私のやりたいことをやってくれないのか」と揉め事が起こったりする原因となります。

ビジネスを始めたからといって必ずしも離婚するわけではありませんし、きちんとケアをすれば夫婦関係や家族関係を良好に保つことは可能です。しかし、時間を投資しなければならないという事実は変わりません。

最悪の場合、家族がバラバラになってしまうリスクもあるため、起業を決めたら、家族にきちんと理解してもらうことが非常に重要です。

具体的には、「今は、将来的に家族でゆっくり過ごし、十分な収入を得て好きなように暮らせるようになるために頑張っている」という点をパートナーに理解してもらい、初期の段階では家族の時間をあまり取れないかもしれないということを事前に伝えて、同意を得る必要があります。

5. まとめ:家族優先は「軌道に乗ってから」

もし、今の時点で「家族の時間を最優先したい」と強く思うのであれば、土日休みや祝日休みが確保できる環境で、どこかに雇われて働く方が、よほど自由な時間が確保できるでしょう。雇われている場合、休日に働かなくても収入が減ることはありません。

しかし、起業家として収入を自分でコントロールし、大きな成功を収めたいのであれば、序盤から「家族を優先」という甘い考えは持たない方が良いです。

特に子どもが小さな頃の時間は貴重であり、それを犠牲にすることは大きな損失であるという認識も必要です。筆者自身も、初期にその時間を犠牲にしたことに後悔や失敗を感じています。

成功者は「自由な時間が使える」と思われがちですが、基本的にはサラリーマンよりも働かなければなりません。家族との時間確保は、ビジネスが軌道に乗り、ある程度仕組み化できた後に実現できる目標として捉えましょう。

まずは、ビジネスの成功と安定した収入を得るために必要な「歪み」が生じることを理解し、その上で家族との十分なコミュニケーションと覚悟を持って取り組みましょう。