【Webマーケティングの常識】メルマガで「ステップメール」を意識しすぎる考え方の落とし穴
Webマーケティングにおいて、メールマガジン(メルマガ)の果たす役割は非常に大きく、収益化を目指す上で不可欠な要素です。しかし、「メルマガを始めましょう」と提案した際、多くの方が抱く疑問、**「ステップメールはどうしたらいいですか?」**という発言には、実は根本的な考え方のズレが潜んでいる可能性があります。
本記事では、この「ステップメールありき」の考え方の問題点を指摘し、ウェブ上で真に収益を上げるために必要なメルマガ運用の基本姿勢について解説します。
メルマガは「ニュースレター」であり「売り込みの場」ではない
ウェブマーケティングにおいて、ブログやYouTube、SNSといった媒体だけで商品を販売することは、既に知名度が非常に高いか、実績がずば抜けている人を除いて、ほぼ不可能だと考えた方が良いでしょう。メルマガであれば、その情報発信媒体上で商品が売れる可能性が格段に高まります。
もし現在、収益が伸び悩んでいるのであれば、そもそもメルマガをやっていないから売れないのだという点にまず気づく必要があります。
しかし、メルマガをいざ始めようとすると、「書き方がわからない」「ステップメールをどうすればいいか」という疑問が出がちです。ここで注意すべきなのは、いきなりステップメールで「売ろう」としている、という点です。
メルマガは英語でEメールニュースレター(E-mail Newsletter)であり、本質的にニュースレターです。
受信者側は、有益な情報、例えば業界の最新情報などが欲しくてメルマガに登録するのであって、ショッピングをするために登録しているわけではありません。にもかかわらず、配信者側が最初からゴリゴリに売り込もうとするステップメールを組むことには、根本的なズレが生じています。
すぐに売ろうとする必要はない:長期的な関係構築の重要性
「ステップメールでどうにかして売ろう」という発想は、そもそもステップメールで売る必要があるのかという点から見直す必要があります。
5通や10通といった短い期間で売らなくても、購読者と長く関係性を築いていけば、後々買ってくれるのであれば結果は同じです。今すぐに無理して売る必要はありません。
メルマガを長く配信することには、非常に重要なメリットがあります。
1. 自動的なスクリーニング機能
メルマガは、長く配信すればするほど、解除者(購読をやめる人)が増えていく傾向にあります。これは一見デメリットに見えますが、実は自分の情報を必要としていない人がいなくなる、というスクリーニング(ふるいにかける)のプロセスとして機能します。
例えば、配信内容に自分の価値観に合わないと感じた購読者は、メールを読んだ時点で解除していきます。このプロセスをしっかり経ないと、価値観が合わない人が誤って商品を購入してしまい、後々自身がしんどい思いをする原因になります。長い時間配信を続ければ、自然と自分と合わない人はいなくなり、本当に自分に合った人だけが残ってくれるのです。
2. 信頼の構築とセールスへの影響
メルマガは、顧客リスト(ビジネスの財産)そのものであり、これを軽く扱ってしまうと、リストを失うことにつながります。
重要なのは、日常的な情報発信を通じて、しっかりと信頼を積んでおくことです。信頼関係が構築できていれば、多少の売り込みがあっても、購読者は「この人の商品なら欲しい」と喜び、商品紹介が歓迎されることさえあります。しかし、信頼ができていない状態で売り込みのメールを送ると、「売り込まれた」という印象を与えてしまいます。
「ステップメール=メルマガ」という古い考え方からの脱却
メルマガと聞くと「ステップメール」を連想する考え方は、かつてネットの世界で広く言われていたものであり、未だに残っているかもしれません。特に、すぐに稼ぎたい、楽をしたい、ステップメールだけ設定すれば自動的にお金が入ってくる、といった考え方を持つネットビジネス界隈で使われてきた手法である可能性が高いです。
しかし、海外の事例を見る限り、日本の旧来的なステップメールのような売り方をしているケースは稀であり、そもそもそういう売り方ではないという認識を持つべきです。
メルマガの運用においては、「売る」という発想をいったん抑え、まずは価値を提供するという考え方から進めるのが成功への近道です。メルマガはニュースレターであり、情報を届けるためのコミュニケーションツールであることを理解し、その考え方を基に配信を行わないと、メルマガ運用はうまくいかないでしょう。
自分が顧客の立場になったとき、価値提供をせずにただ売り込んくるだけのメールを読みたいかどうかを考えてみてください。読まれないメールは、結果的に顧客リストという大切な財産を失うことにつながります。常に購読者がメルマガを読むメリットを考えた配信を心がけましょう。
