【起業2年目の罠】燃え尽き症候群(バーンアウト)を乗り越え、ビジネスを一生モノの資産にする方法
「最初はあんなにやる気だったのに、最近どうしても力が入らない」 「1年頑張ってみたけれど、このまま続けて意味があるのだろうか……」
オンラインビジネスや情報発信を始めて1年を過ぎた頃、多くの人が直面するのが「燃え尽き症候群(バーンアウト)」です。
実は、ビジネスが失速してフェードアウトしてしまう時期には一定の傾向があります。今回は、なぜ2年目に危機が訪れるのか、そして「燃料切れ」を起こさずに10年、20年と息の長いビジネスを続けていくための秘訣を解説します。
1. なぜ「1年半から2年」で多くの人が消えてしまうのか?
ビジネスを始めて最初の1年は、新鮮な気持ちもあり、勢いで頑張れるものです。しかし、本当の正念場は2年目以降にやってきます。
多くのケースでは、1年半から2年が経過したあたりで息切れを起こし、そのままフェードアウトしてしまいます。特に、10月から年末にかけての時期は気持ちが緩みやすく、完全に撤退してしまう人が増える傾向にあります。
この「2年目の壁」を越えられるかどうかが、単なる副業で終わるか、本当の意味でビジネスとして成立させるかの分かれ道になります。
2. あなたの「燃料」は足りていますか?
人間が走り続けるためには「燃料」が必要です。ビジネスにおける燃料とは、「情熱」や「その先にある結果に対する強い思い」です。
- 燃料切れを起こしやすい人: 「なんとなく儲かりそう」「楽にお金持ちになれそう」といった希薄な動機で動いている人。壁にぶつかった時にすぐにガス欠を起こしてしまいます。
- 走り続けられる人: 自分がやっていること自体に情熱がある、あるいは「絶対にこの結果を手にしたい」という揺るぎない目的がある人。一時的に気分が落ちることはあっても、完全に止まってしまうことはありません。
まずは、自分の内側に「燃やし続けられる燃料」がどれくらいあるかを見つめ直すことが大切です。
3. 「やめられない状況」を戦略的に作る
自分の意志の力だけに頼るのは限界があります。そんな時は、あえて「強制力」を味方につけるのも一つの手です。
そのための手法の一つが、「サンクコスト(埋没費用)」を大きくすることです。 例えば、高価な機材を揃える、自己投資として大きな金額を支払う、あるいは膨大な時間を注ぎ込むといったことです。人間には「せっかくここまでコストをかけたのだから、やめるのはもったいない」という心理が働きます。
「いつでもやめられる」という気楽な状態は、裏を返せば「簡単にフェードアウトできる」状態でもあります。退路を断つことで、しんどい時期を乗り越える力に変えることができるのです。
4. 「もし今やめたら、どんな未来が待っているか」を直視する
バーンアウトしそうになった時こそ、一歩引いて「撤退した後の未来」を具体的にイメージしてみてください。
多くの人は、起業を諦めれば元の会社員生活に戻ることになります。今の不満から逃れるために発信を休んでサラリーマンに戻るのは、一見「楽な道」に見えるかもしれません。
しかし、5年後、10年後の自分を想像してみてください。
- 結局、また同じような人間関係や収入に不満を抱えていませんか?
- 「あの時続けていればよかった」と後悔することになりませんか?
私自身、カナダでの生活において「もしサラリーマンに戻ったら、家族を養えず人生が詰む」という強い危機感がありました。「会社員に戻るという選択肢(退路)が一切ない」という覚悟があったからこそ、どれだけうまくいかなくても撤退するという考えは微塵も浮かばなかったのです。
5. モチベーションの波に飲み込まれないために
ビジネス活動は、サラリーマンとして働くよりも何倍もしんどい瞬間があります。お金が入ってこない時期に精神的な落ち込みが重なると、どうしても「お休みしよう」という誘惑に駆られます。
しかし、一度インターバルが長くなってしまうと、そのまま復帰できなくなるのが現実です。
完全にやめてしまえば、それまでの努力はすべてゼロになります。もし本当にしんどいのであれば、完全に撤退するのではなく、会社員をやりながらでも「細く長く継続する(半撤退状態)」を選んでみてください。
5年、10年と続けていれば、その間にビジネスは確実に軌道に乗る可能性が高まります。
まとめ:沈んだ時にこそ「真価」が問われる
ビジネスを続ける中で、モチベーションの浮き沈みは誰にでもあるものです。
大切なのは、「気持ちが沈んだ時に、いかにフェードアウトせずに踏ん張れるか」です。目先の楽さに逃げるのではなく、長期的な人生の納得感を優先して、一歩ずつ進んでいきましょう。
今のあなたの踏ん張りが、5年後の自分を救うことになります。
モチベーションをビジネスの原動力にするのは、例えるなら「風任せの帆掛け船」のようなものです。風(やる気)が吹けば進みますが、止まれば動けなくなってしまいます。
本当に目的地にたどり着きたいのであれば、風の有無にかかわらず進み続ける「エンジン(覚悟と仕組み)」を自分の中に持つことが、バーンアウトを防ぐ最大の手立てとなるでしょう。
