私はカウンセリングの専門家として、常に「共感」の重要性を見ていますが、最近、人の気持ちを想像したり、共に感じたりする「共感力」が弱い人が増えていると感じています。 発達障害などの特別な要因を除き、基本的な共感力が苦手な人が増えたのはなぜでしょうか。 私はその原因の一つが、現代における人間関係の希薄さにあると考えています。 共感力が不足していると、他者の気持ちや立場を察することができず、人間関係で適切な判断ができなかったり、大きく判断がずれてしまったりします。 結果として、会話が噛み合わなかったり、不快な思いをさせてしまうという「ギクシャク」が生じてしまうのです。 この音声…
「過去のトラウマに苦しみ、人生がうまくいかない」と感じている方は非常に多いです。 そもそもトラウマは、誰かから傷つけられたり自己否定を強いられたりする経験から、物事に対するネガティブな捉え方を「無意識に学習」して定着させてしまった状態です。 このネガティブな捉え方が自分の中でスタンダードになってしまうと、人に対して常に防衛的になり、同じ出来事でもポジティブな人とは真逆の思考や行動が展開され、苦しみが深まります。 本動画では、このトラウマから卒業するための具体的な方法について、トラウマができるメカニズムから詳しく解説します。 トラウマが「経験学習」によって定着したものである以上、必要なのは「新…
最近、長寿や健康に関する本や番組が増えてきましたね。 人生100年時代と言われ、日本には100歳以上の方が10万人もいるそうです。 もちろん、病気や寝たきりの状態を避け、健康寿命を延ばしたいと思うのは当然です。 ですが、健康で若々しくいられれば、それで人生は十分なのでしょうか? 私は、健康そのものが目的になってしまうと、少し話が半分のようになってしまう気がしています。 では、私たちは長くなった人生をどう生きたいのか? 楽しく、充実して、何か打ち込めるものを見つけて生きていくためには、何を考え、どう行動すれば良いのでしょうか。長生きするから「あれもしたい、これもしたい」…
昨日、ポッドキャストの配信スタンドであるSpotifyから届いたデータを見て、私は驚き、そして嬉しく思いました。 昨年のデータと比較して、2025年のトータル視聴者数が647%、さらに新しい視聴者の数が999%も増加したという知らせが届いたのです。 このポッドキャストを始めた当初、「私のような全く無名な一般人の話を、果たして誰が聞いてくれるのだろうか」という不安を抱えていました。 しかし、この着実なデータ増加を見て、このまま続けていこうと決意を新たにしました。とはいえ、視聴者数の増加は、あくまで発信者側の「自己満足」のようなものです。 最も大切にしていることは、聞いてくださっ…
最近、人手不足の業界を中心に、時短勤務でありながら正社員・生職員として働くスタイルが広がりを見せています。 通常、時短勤務では得られにくいボーナスや福利厚生が正社員と同様に適用されるのはなぜでしょうか。 労働時間は短いけれど、他の待遇はフルタイムと同じというこの新しい働き方について、その背景と具体的な事例を紹介します。 実は、この制度をいち早く導入したスウェーデンの大手家具販売企業(IKEA)や、国内の巨大スーパーマーケットチェーン(イオンなど)の事例からは、企業の業績向上につながる重要なヒントが見えてきます。 彼らがこの仕組みを導入したのは、高かった離職率を減らすためという…
日本では、カウンセリングは精神的に病んでしまったり、自分一人ではどうにもできない絶望的な状況に陥ったりした時に初めて受けるものだというイメージが浸透しています。 しかし、発信者である私は、この認識が非常に「もったいない」ことだと考えています。 実は、アメリカやヨーロッパ(欧米)では、元気な時や調子が良い時にもカウンセリングを活用するという使い方が一般的です。 なぜなら、カウンセリングの深い効果は、単に心理的な問題やトラウマを回復させることに留まらないからです。 カウンセリングは、人間の潜在的なポテンシャルを開花させ、その人が持つ能力をさらにレベルアップさせる力を持っています。…
実はこの収録をする前の昨日と今日、私は「やる事なす事がうまくいかない」という、いわゆる調子の悪い日に当たっていました。 予定していた作業の3割程度しか達成できず、トラブル続きで、YouTube動画の収録には通常の4倍から5倍もの時間がかかってしまったんです。 集中力が落ちたり、ミスが多かったりして、何をやってもダメだと感じる日は、誰にでもあると思います。 そんな時、焦ったり、イライラしたり、自己嫌悪に陥ってしまうと、さらに効率が落ちるという悪循環にはまってしまいます。 この音声では、私が実際に経験した「最悪の二日間」をどう乗り越え、いかに落ち着いて作業を進めたか、そのための重…
この動画では、長年カウンセラーとして、またカウンセリングの指導者として活動してきた語り手が、コミュニケーションの根幹である「傾聴(正確に聞くこと)」に焦点を当て、私たちが抱える深刻な誤解を明らかにします。 【大多数ができていない現実】 多くの方は、自分は人の話をちゃんと聞けている、あるいは上達したと思い込んでいます。 しかし、会話の録音記録や逐語記録をもとに分析すると、ほとんどの方が正確に聞けていないという事実が判明します。 これは「全滅に近い」と表現されるほど、本人たちの自覚と実際のスキルとの間に大きな隔たり(ギャップ)が存在しています。 【真の成長とは何か?】 • プロの姿勢: …
近年、日本社会においても抑うつ状態に陥る方が増えていることを現場で実感しています。 この抑うつ状態をいかに防ぐか、その最大の決め手は「思考」、つまりあなたが何を考えているかという内容にあります。 ネガティブなことを考え続けていると、感情が不安定になり、精神状態が悪化し、抑うつ状態へと移行するネガティブなスパイラルにはまってしまいます。 では、なぜ人は抑うつにつながるようなことを延々と考え続けてしまうのでしょうか。 この背景には、経験、環境、そして出来事の「捉え方」という要因が大きく関わっています。 環境を変えることや、物事をどのように捉えるかが、精神状態を大きく左右するの…
長年カウンセラーとして20年以上にわたり「幸せとは何か」を探求してきた語り手が、その結論を解説します。 人が最も幸せであり、最も大きな喜びであると感じる瞬間とは、有名になることやお金を稼ぐこと(手段)ではなく、「自分が人間として成長した」と心から実感した瞬間であると結論づけています。 【この動画から得られる主な学び】 • 幸せの源泉: カウンセリングの場において、クライアントが困難を克服し卒業していくプロセスで必ず経験するのは、人間的成長の実感です。 この成長を噛みしめ、感謝の言葉を口にする瞬間こそが、最も深い幸せの瞬間なのです。 • 成長がもたらす変化: 人間的に成長することで、様々…
私は、研修の講師や、コーチ、心理カウンセラーとして活動しています。 今回は、カウンセリングの少し真面目な話をお届けしたいと思います。 日本にカウンセリングが入ってきたのは、太平洋戦争直後の昭和25年頃で、約75年が経っています。 このカウンセリングという形をアメリカで作り上げ、体系化し、世界中に広めたのがカール・ロジャーズという心理学者です。 ロジャーズが確立した「来談者中心療法」は、認知行動療法とも異なり、クライアントが頭で考える作業ではなく、心や情緒的な反応を重視したものです。 彼は、単なるアドバイスではなく、対話の中でクライアントの内面的な変化や反応が起こることによ…
私自身、カウンセラーになる前は、否定的な感情というものはなくし、ポジティブで肯定的な感情に置き換えなければならないと思い込んでいた部分がありました。 そのため、不安や心配、動揺やイライラといったネガティブな感情を抱いた状態は、とにかく嫌だと感じていたのです。 しかし、カウンセラーとして活動し、カウンセリングや心理学を深く学ぶ中で、ある真実が見えてきました。 それは、マイナス感情こそが実は「自分の味方」なのだということです。 ネガティブな感情を否定するのではなく、受け入れられるようになると、かえって気持ちの切り替えが早くできるようになるのです。 このエピソードでは、なぜネガ…
このポッドキャストは、40代、50代、60代以降のリスナーの方々に特によくお聞きいただいているというデータがあります。 この年代の方々が直面する大きな課題こそが、今社会的に注目されている「ミッドライフ・クライシス」と呼ばれるものです。 私たちはこの時期、さまざまな壁にぶつかります。会社でのキャリアの停滞や頭打ち感、定年後の生活や年金に対する不安、AIやデジタル化などの急速な技術的変化への対応の焦り。 さらには、体力や集中力の衰え、親の介護、子育て後の空の巣症候群、そして「自分の人生はこれで良かったのか」という後悔の念 に苛まれることもあります。 これらの問題の中心テーマは、自…
「人から悪く思われたくない」「良く思われたい」という思いから、常に他者の目を気にしながら過ごし、自分の気持ちややりたいことがおろそかになって息苦しさや生きづらさを感じているというご相談は非常に多いです。 なぜ、人からどう見られているかばかりが気になってしまうのでしょうか。 本エピソードでは、人の目をほとんど気にせず自分らしく生きている人と、そうではない人の関心の方向の違いについて解説します。 そして、人の目を気にしすぎていつも疲弊してしまう根本的な原因が、過去の経験からくる劣等感や、それが裏返った承認欲求にあることについて詳しく深掘りします。 他者の機嫌や言動に神経をすり減ら…
このエピソードでは、私たちが人生において幸せになるために鍵を握っている3つの重要なポイントについてお話しします。 これら3つの要素は、あなたの人間関係、働き方、そして自分自身との向き合い方に深く関わっており、人生における時間的、エネルギー的な大半を費やす非常に大きな部分を占めています。 おそらく多くの方が、これらの要素を充実させることは難しい、あるいは他者や環境によってコントロールされてしまうものだと思われているかもしれません。 人間関係においては、心を通わせたい相手とうまく通わせることができなかったり、仕事においては、生活のために割り切って働かなければならないという現実もあるで…
カウンセリングの現場でよく聞かれるお悩みの一つが、「褒められても素直に喜べない」「褒められた瞬間に居心地が悪くなる」というものです。 時には、お腹がギュッと締まるような身体的な反応が出る方もいます。 本来は喜ぶべき場面で、なぜ心の中で「やってんな」と感じたり、喜べなくなってしまうのでしょうか? この動画では、褒め言葉を受け入れられない原因となっている「2つの反応」と、それを乗り越えるための具体的な方法を解説します。 素直に喜べない2つの原因 1. 強い自己否定感: 「自分なんてとても褒められるような価値のある人間ではない」とシリアスに思ってしまうパターンです。 褒め言葉を「買いかぶりす…
「鈴木さんはなぜカウンセラーになったんですか?」 これは、私がカウンセラーの仕事に就いてから最もよく聞かれる「鉄板」の質問です。 心理カウンセラーという仕事に興味がある方や、将来的に仕事にしたいと考えている方もいらっしゃるかと思いますので、今回改めてその理由をお話しします。 私にとって、カウンセラーという仕事は、一言で言うと「すごく面白い仕事だ」と感じたのが最初のきっかけです。 なぜなら、人が厳しい状況にいても立ち直るということを成しうるものだと考えたからです。 私がこの道に進むことを決めた動機には、師匠となる臨床家との出会いと、そのカウンセリングの記録を聞いた時の衝撃的…
ハラスメントやメンタルヘルスなど、企業が抱える問題は尽きません。では、理想的な企業組織とは、本来どのような姿なのでしょうか? 今回、私は一つの答えとなり得る会社をテーマにお話しします。 それは、長野県伊那市にある伊那食品工業です。 この会社は、単に「かんてんパ」というブランドで有名なだけでなく、「日本一社員が幸せな会社」として知られています。 さらに驚くべきは、47期(約半世紀)近くにわたって増収増益という、お化けのような記録を打ち立てた企業でもあります。 そして、この会社のトップが、あの世界のトヨタの豊田章男会長に「師」と仰がれるほどの経営者であるという事実も、その哲学…
今回の動画では、複数回にわたる継続的なカウンセリングのプロセスと、その中で生まれる本質的な流れについて解説します。 この内容は、教育分析や個別レッスンの中で出た、「なるほど」と思えるお話に基づいています。 カウンセリングは1回で終わるケースは稀で、何回か継続されるケースがほとんどです。しかし、この複数回のケースをまとめて勉強する機会はなかなかありません。 継続セッションの核心:話が逸れた時の対応 クライエントの話の流れが途中で変わった(逸れた)と感じたとき、カウンセラーはそれを本来の話題に戻すべきでしょうか? 結論から言うと、カウンセラーが話を戻すことはあまりしません。 なぜなら、一見…
今日は少し、健康というテーマで私のプライベートな体験談をお話ししたいと思います。 お腹周りの脂肪を落とし、体重をコントロールするために、筋トレやジョギング、ストレッチなど、色々な取り組みを試みました。 特に、ある事情から医師に言われ、脂質を制限するなど食生活を根本的に見直したことが、体に大きな変化をもたらしたんです。 運動も大事ですが、やはり体重のコントロールやダイエットにおいて、最も効果的で影響が大きいのは食事でした。 この1年ちょっとの取り組みを通して、ウエストがきつかったズボンが余裕で履けるようになったり、体が軽くなった感覚を得ています。 健康を考えた時に、肥満やメ…
傾聴レッスンの中で、ある受講生の方と非常に興味深いお話をシェアしました。 話題のきっかけは、電車を乗り降りする際の、最近のエチケットの変化です。 具体的には、降りる人がいるのにすぐに乗ろうとして体がぶつかりそうになったり、その際に言葉がなかったりする場面が増えたという話でした。 この現象について、受講生の方は「視野の狭さ」が背景にあるのではないかと指摘されました。 これは、余裕がなくなり周りへの配慮が欠けている状態、つまり、自分と忖度(そんとく)の関係にない人に対して雑になっている人が増えた印象だ、という分析です。私自身もこれには大いに同感しました。 さらに、私は、なぜこ…
私は日頃から傾聴やカウンセリングを学ぶ多くの方々と接する機会があり、皆さんが抱える共通の悩みを頻繁に聞きます。 それは、長年勉強し、資格を取得し、ロープレを繰り返しているにもかかわらず、「本当に自分は傾聴ができるようになったのか?」と不安を感じているということです。 なぜ、熱心に学んでいるのに上達の実感を得られない方が圧倒的に多いのでしょうか? その根本的な原因は、多くの方が傾聴に対して大きな誤解をしていることにあります。 残念ながら、現在の日本のカウンセリング界の指導には、相手の具体的な表現や言い回しに対して「どう聞くべきか」という具体性が欠けていることが最大の問題点だと私…
小学校のスクールカウンセラーとして約5年間、教育現場に身を置いた発信者が、人間関係や社会の中で生きる上での「正しさ」の難しさについて語ります。 私たちは「正しいことさえ言えば、それが正しいんだ」と思いがちですが、実際には正しいことを言うことによって、物事がこじれたり、人が傷ついたり、怒ってしまったりすることが起こります。 特に教育現場では、教師が正しいことを教えようとするあまり、かえって事態をややこしくし、クラスで問題が起きるほど正論を振りかざす先生が多くいました。 その結果、信頼関係が生まれず、学級経営がうまくいかなくなったり、子どもたちの問題行動が激しくなったりするのです。 …
「意地悪な人」はなぜ意地悪な行動をとってしまうのでしょうか。 私はこれまでも何度かこのテーマについて話してきましたが、その根本的な原因は、彼らの心の内側に潜んでいる、満たされていない状態にあります。 それは孤独に苛まれている状態であり、心の中に嵐が吹き荒れていたり、穴が開いていたりするからです。 カウンセリングの現場でも、職場での嫌がらせやいじめ、意地悪をされたというご相談は特に多く寄せられます。 そういった行為をする人々の話を聞くと、彼らが心に開いた穴を、まったく賢くないやり方で埋めようとしていることが分かります。 彼らは、愛を知らない、または、人との喜びや感動を分かち…