このエピソードでは、家族の前では話せるのに、学校など特定の場所や人の前では一言も話せなくなってしまう「場面緘黙症（ばめんかんもくしょう）」という心の状態に焦点を当てます。
声が出せないだけでなく、重症化すると表情が作れなくなったり、身動きが取れなくなることもあると説明されています。
原因は特定されていませんが、心の問題が引き起こす症状の一つとされています。
今回は私が小学校のスクールカウンセラーをしていた頃の経験を語ります。
当時、ある公立小学校に場面緘黙症の子どもが３人おり、そのうちの１人が小学校在学中に話せるようになったという、極めて稀で貴重な事例を目の当たりにしました。
一般的に場面緘黙症は大人になってから話せるようになるケースが多い中で、小学生のうちに克服するのは非常に珍しいことです。
話せるようになったのはなぜか。
その要因と過程をお話します。
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