April 28, 2025

ポッドキャストとラジオは違う パート2

 

ポッドキャストとラジオ、何が違う?ビジネスで失敗しないための配信のコツ

音声メディアとして人気のポッドキャストとラジオですが、似ているようでその目的や作り方には大きな違いがあります。特にビジネス目的でポッドキャストを配信する際には、その違いを理解しておくことが非常に重要です。

今回は、ある音声配信者が考えるポッドキャストとラジオの違い、そしてビジネス目的のポッドキャストでリスナーを惹きつけ、成果を出すためのポイントをご紹介します。

ラジオとポッドキャスト、そもそもの目的が違う

ラジオ番組は基本的に、多くの人に聞いてもらい、そこで広告を流すことによって広告収入を得るというビジネスモデルになっています。そのため、できる限り万人に向けた発信をしたり、たくさんの人が興味を示すようなトピックを扱ったりする必要があります。そして、多くの人を集める力のある芸能人がパーソナリティを務めることが多いのもそのためです。

一方、ビジネス目的でポッドキャストを配信する場合、目的は広告収入ではありません。集客や認知拡大といった目的もありますが、どちらかというとリスナーとの信頼関係を築くことに重点を置いています。目的が根本的に違うからこそ、番組の作り方やエピソードの配信方法も変わってくるのです。

番組構成や演出にも違いがある

目的が違うことで、具体的な番組の作り方にも差が出てきます。

  • サウンドエフェクト: ラジオでは効果音を使って番組を盛り上げることがありますが、ビジネス目的のポッドキャストではサウンドエフェクトはほとんど使いません。場合によっては邪魔だと感じられたり、真面目な話のトーンを崩してしまったりする可能性があるからです。
  • BGM: BGMを入れる場合と入れない場合がありますが、本編でずっと喋っている最中にBGMを流すことはあまりないでしょう。リスナーには「喋り」、つまり話の内容をしっかりと聞いてもらうことが大事だからです。実際に多くのポッドキャストでも、喋り中は無音の状態が多いようです。
  • イントロ・ジングル: 冒頭部分の考え方も異なります。ポッドキャストでもジングルを入れることはありますが、一般的には10秒から15秒程度が目安とされています。それ以上長いと、リスナーの時間を奪ってしまうことになります。特に、リピート再生するリスナーは同じジングルを何度も聞くことになるため、長いジングルはストレスになり得ます。ジングルはあくまで配信者側のエゴであり、リスナーが聞きたくて聞いているわけではない、という意識を持つことが重要です。

リスナーに嫌われる?ポッドキャストでやってはいけないこと

ポッドキャストで特に気をつけるべき点の一つが、冒頭の構成です。

  • 不要な雑談: ラジオではよく、番組の冒頭で今日の天気やパーソナリティの日常について話す雑談が入ることがあります。しかし、ビジネス系やマーケティング目的のポッドキャストにおいて、これは基本的に不要な情報です。
  • エバーグリーンコンテンツ: ポッドキャストの多くは「エバーグリーンコンテンツ」です。つまり、今日配信されたエピソードを1年後、3年後に聞く人もいます。そのようなリスナーにとって、今日の天気やリアルタイムの出来事(例:「今、桜が咲いていますね」)は関係のない情報になってしまいます。
  • リスナーが求めるもの: ポッドキャストを聞く人の多くは情報感度が高く、とにかく情報が欲しいと考えています。配信者の個人的な、どうでも良い無駄話を聞きたいという人は少ないのです。

冒頭から長い雑談(1分や1分半など)が入ってしまうと、リスナーは「早く本題に入ってほしい」とストレスを感じ、イライラしたり、最悪の場合番組から離脱してしまう可能性があります。せっかく良い話をしても、本題にたどり着く前に聞くのをやめられてしまっては意味がありません。

成果を出すためのポッドキャスト配信の心得

では、ビジネス目的でポッドキャスト配信を成功させるためには、どのような点を意識すれば良いのでしょうか。

  • イントロでストレスを与えない: 冒頭部分でいかにリスナーにストレスを与えないかが非常に重要です。長いジングルや不要な雑談は避けましょう。
  • 話す内容を明確に: 今回のエピソードで何を話すのか、その内容をしっかりと定めておくことが大切です。話す内容が明確であれば、不要な情報を削ぎ落とし、リスナーが本当に知りたい情報に焦点を当てることができます。
  • 雑談の扱い: 雑談を一切入れてはいけないわけではありませんが、入れるとしてもタイミング、やり方、そして長さを考慮する必要があります。ほんの10秒、20秒程度で終わらせるなら良いかもしれません。
  • リスナーファースト: リスナーは、配信者自身に商品価値がある場合を除き、配信者の話を聞きたいのではなく、そこで得られる情報を求めています。常に「リスナーは何を聞きたがっているのか?」「リスナーに提供できる情報は何か?」という視点でコンテンツを作る意識を持つことが重要です。

まとめ

ポッドキャストは確かに強力なマーケティングツールになり得ますが、ただ配信すれば良いというものではありません。ラジオとは目的もリスナー層も異なることを理解し、リスナーが求める情報を提供すること、そして彼らにストレスを与えない構成を心がけること が、ビジネス目的のポッドキャストを成功させる鍵となります。特に、番組の冒頭部分の作り込みは、リスナーの継続的な聴取に大きく影響するため、しっかりと意識して取り組んでいきましょう。