【中級者以上向け】エピソードの立て方
聞き手を惹きつける!ポッドキャストの質を高める「メリハリ」の極意【中級者向け】
ポッドキャストをある程度続けている方の中には、「もっとエピソードのクオリティを上げたい」「リスナーのエンゲージメントを高めたい」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、その目標を達成するために意識すべき重要な要素が「メリハリ」です。今回は、ナレーター業界でも使われる「立てる」という表現を用いて、ポッドキャストで効果的にメッセージを伝えるための「メリハリ」の作り方について詳しく解説します。
「立てる」とは何か?メリハリの重要性
「立てる」という言葉は、ナレーターの世界において、台本の中から「最も伝えるべきポイントはどこか」を読み解き、その部分を際立たせるための話し方を組み立てることを指します。ポッドキャストにおいても同様で、私たちがエピソードの中で「一番伝えたいこと」を明確にし、そこを最も強調することが「立てる」ということです。
メリハリのない話し方は、リスナーにとって「どこが大事なのか」が分かりづらくなります。まるで右から左に話が流れてしまい、結局何も頭に残らないオンライン講座のような状態になってしまうことも。このような状態では、リスナーは面白みを感じず、エンゲージメントが低下し、「また聞きたい」とは思わなくなってしまうでしょう。
リスナーを引き込む「メリハリ」の作り方
では、具体的にどのようにしてメリハリのある話し方を作り出すのでしょうか。
- 強調すべき点を明確にする: まず、エピソードの中で「ここだけは絶対に伝えたい」という核となるメッセージを特定します。
- 話し方に緩急をつける: 強調したい部分では、以下のような工夫が有効です。
- ペースの変化: 常に同じペースで話すのではなく、意図的に話すスピードを速めたり、ゆっくりにしたりすることで、リスナーの注意を引きつけます。
- 無言の時間: 数秒間の「間」を置くことで、次に続くメッセージへの期待感を高め、リスナーの集中を促します。
- トーン・声量の変化: 強調したい部分では、普段よりも強く話すなどの変化を加えます。
- 「弱める」ことで「強み」を際立たせる: ここが非常に重要なポイントです。単にすべてを強く話せば良いというわけではありません。全体が強い口調では、かえってメリハリが失われてしまいます。背の低い集団の中に一人だけ背の高い人がいるから目立つように、強調したい部分を際立たせるためには、それ以外の部分を「穏やかなトーン」や「心地よいペース」で話すことが効果的です。常に高い緊張感で聞かせるのではなく、普段はリラックスして聞いてもらい、重要なポイントで注意を引きつけることで、メッセージがスムーズに心に響くようになります。
- 導入部分の工夫: ポッドキャストでは、最初の5秒や10秒でリスナーが離脱することは稀です。そのため、慌てて冒頭からフックを入れる必要はありません。むしろ、最初の30秒から1分程度は「低速ギア」でゆっくりと導入に入り、落ち着いたトーンで話を進めるのがおすすめです。そこから徐々にボルテージを上げていくことで、話の起承転結が明確になり、リスナーは前のめりになって聞き入ってくれるでしょう。
- 台本との付き合い方: プロのナレーターではない私たちが台本を読み上げてしまうと、棒読みになり、抑揚やテンポが失われがちです。そのため、逐語的な台本を読み上げる方法はあまり推奨されません。代わりに、「構成」を考える際に、箇条書きなどでポイントを整理し、「ここでこの部分を強調しよう」「この流れで話を進めよう」といった伝え方を意識することが有効です。
「何を話すか」だけでなく「どう伝えるか」を考える
多くの人は「何を話そうか」というコンテンツの中身ばかりを考えがちですが、「それをどういう流れで伝えていくか」という「伝え方」の構成まで意識している人は少ないかもしれません。しかし、この「伝え方」こそが、エピソードのクオリティとエンゲージメントを大きく左右します。
また、本当にリスナーに伝えたいという「強い思い(パッション)」があれば、意識せずとも話し方に力が入り、自然と強調される部分が出てくるものです。強調する部分を意識的に強めるだけでなく、それ以外の部分を「弱める」ことで、より効果的にメッセージを際立たせることができます。
まとめ:あなたのポッドキャストを次のレベルへ
ポッドキャストは、一度や二度聞いただけでリスナーが商品を購入するような媒体ではありません。だからこそ、継続的に「もっと聞きたい」と思ってもらうための工夫が必要です。今回ご紹介した「メリハリ」を意識した話し方は、ポッドキャストだけでなく、YouTubeやオンライン講座など、他のコンテンツ作成にも応用できる普遍的なスキルです。
ある程度の配信に慣れてきたら、「どこを立てようか」「どういう流れで話を持っていこうか」といった「伝え方」を意識してみてください。そうすることで、あなたのメッセージはよりリスナーに届きやすくなり、「この人の話は面白いな」と感じてもらえるはずです。ぜひ、今日からあなたのポッドキャストに取り入れて、その効果を実感してください。
