放置型自動集客の仕組みづくり
ポッドキャストで「放置自動集客」を実現?ストック型媒体の驚くべきメリットとSNSとの違い
コンテンツ発信をされている皆さん、こんにちは。今回は、私が運営するポッドキャストの配信がしばらく空いてしまったにも関わらず、むしろアクセスが増えたという興味深い現象から見えてきた、ポッドキャストをはじめとする「ストック型媒体」の強みについてお話ししたいと思います。
実は、メインチャンネルとサブチャンネルともに意図せず配信間隔が空いてしまい、特にサブチャンネルでは1週間近く間が空いてしまったんです。通常は3日に1回程度のペースで配信していたのですが、配信が途絶えてからもしばらくアナリティクスを見るとアクセスが増えていました。
これこそが、ポッドキャストやブログ、YouTubeといったストック型媒体の大きなメリットなんですね。
ストック型媒体とは?SNS(フロー型)との違い
ストック型媒体とは、文字通りコンテンツが資産として積み重なっていくメディアのことです。ブログ記事、YouTube動画、そしてポッドキャストのエピソードなどがこれにあたります。過去に投稿したコンテンツが蓄積され、それが継続的に新しいアクセスやリスナーを連れてきてくれる仕組みを作ることができます。
これに対して、SNS(例: TikTok, Instagram)は「フロー型媒体」と言えます。フロー型媒体は、発信した瞬間にアクセスが爆発的に伸びやすいという特徴があります。いわゆる「バズる」という現象ですね。
しかし、フロー型媒体は投稿を止めるとアクセスが激減してしまう傾向があります。発信を止めたらアクセスがゼロに近くなる可能性すらあるんです。インフルエンサーと呼ばれる方々がInstagramやTikTokを推奨するのは、まさにこの「バズらせやすさ」や「数字の見えやすさ」があるからかもしれません。何万再生、何千フォロワーといった数字は、何も知らない人にとって飛びつきやすい指標ですよね。「バズれば儲かる」「フォロワーがいれば稼げる」と思われがちです。
ポッドキャストの「放置自動集客」の仕組みとメリット
一方で、ポッドキャストのようなストック型媒体は、過去に投稿したコンテンツが多ければ多いほど、放置してもアクセスが落ちにくいという特性があります。例えば、1000エピソードもあれば、そのうちの200エピソードが検索に引っかかり、何もせずとも自動的にアクセスが入ってくる、といった状態になりやすいんです。エピソードが1本しかない人に比べて、200エピソードある人の方が当然アクセスは増えますよね。
そして、今回のように配信間隔が1週間空いたことでアクセスが増えたのは、リスナーの皆さんが過去のエピソードを聞いてくれたからだと推測しています。普段ハイペースで投稿していると、リスナーは新しいエピソードを追うのに精一杯で、過去のエピソードを聞く時間がなかったりします。そこに間が空くことで、「あ、今新しいのが出てないなら、過去に聞けてなかったこれを聞いてみようかな」という行動につながったのではないかと考えています。
ストック型媒体、特にポッドキャストは、発信した瞬間だけでなく、そこからしばらく経ってからアクセスが増えるということがあるのも面白い点です。SNSのように投稿直後にピークが来るのではなく、後からじわじわと、あるいはガッとアクセスが伸びることがあるんですね。
ポッドキャスト最大の強み:「ビンジリスニング」が生む濃いファン
ポッドキャストの他の媒体にはない最大の強み、それは「ビンジリスニング」(一気聞き)が起こるということです。ポッドキャストは「ながら聞き」に適していますし、1本のエピソードが終わると次が自動再生される機能などもあります。何かをしながら聞いている人が多いため、何本も続けて聞いてくれることがあるんです。
ここで重要なのは、今回のアクセス増加が単純にリスナーの数が増えただけとは限らないということです。もしかしたら、リスナーの数は変わらなくても、1人のリスナーが大量のエピソードを消費してくれたのかもしれません。
スモールビジネスの観点では、これは非常に価値が高いんです。例えば、数字上は同じ100アクセスでも、100人の人が1回ずつ見たのと、1人の人が100エピソード聞いたのとでは、ファンの質(ファンド)が全く違います。1人で100エピソードも聞く人というのは、よっぽど濃いファンですよね。
この「濃いファン」ができる仕組みこそが、ポッドキャストで言われる「仕組み作り」なわけです。SNSのフォロワー数だけを見てしまうと錯覚しがちですが、関係性の濃さで言えば、ポッドキャストの1フォロワーはSNSの100フォロワーと同等か、それ以上の価値があるかもしれないとさえ思います。再生回数がそれほど伸びなくても、ポッドキャストには十分やるメリットがあるんですね。
日本のポッドキャスト市場と今後の展望
日本のポッドキャスト市場は、海外に比べてまだ遅れていると言われています。海外では10年、15年以上ポッドキャストを続けている人も珍しくありませんが、日本ではまだ少ないのが現状です。始めたとしても、50本も続かない人が大半です。
しかし、リスナーの数は増え続けており、市場も拡大しています。特に海外では、Z世代が最も多くのリスナーを占めているというデータもあります。これから若い世代もポッドキャストを聞くようになることを考えると、今から発信を始めることには大きな将来性があると言えます。
日本ではポッドキャストがあまり流行っていない理由の一つに、TikTokやInstagramのような「バズりやすさ」や「インパクト」が弱い点があるかもしれません。しかし、SNSで100万回再生されたとしても、それが単なる興味本位や暇つぶしで見られただけで、全く売上につながらないということもあります。
本質はどこにあるのかを考えると、ポッドキャストのような媒体で濃い信頼関係を築くことの重要性が見えてきます。そして、今回のように一時的に発信が途切れても、何もせずとも過去のエピソードが再生され続けるというのは、非常に大きなメリットですよね。
放置自動集客の状態を作るために
こうした「放置しておいても勝手に再生される」状態を作りやすくするためには、やはりある程度の数のエピソードを投稿しておくことが重要です。闇雲に大量投稿するのではなく、リスナーにとって価値のあるエピソードを積み重ねていくことが、将来の自動集客につながっていくはずです。
ポッドキャストはすぐに大きなインパクトは出にくいかもしれませんが、着実にコンテンツを積み重ねることで、今回ご紹介したような「放置自動集客」の仕組みを作り、濃いファンを育成していくことができる媒体です。ぜひ、長期的な視点でポッドキャスト運用を検討してみてはいかがでしょうか。
